2013年8月11日日曜日

ニーズの限界 その3

どもっ!インパクトマーケッターの福谷です。


「シズル感的販売方法」について、今回が最終回です。


「おいしい」と実際には実感できない状況で食品を宣伝する際に、「おいしそう」と感じさせ、イメージを増幅させて購買に結びつける事が、食品商材の宣伝にシズル感を演出する目的です。


あなたが扱う商品は、おそらくその品質に自信をお持ちの事だと思います。

「使えば良さが判る」というのは「使わないと良さが判らない」のと同じ意味ですので(笑)、あなたは何としても良さを伝えなくてはなりません。

テレビの中の食品が本当に「おいしい」のかどうかが判らないのと同様、あなたが扱う商品が本当に「良い」のかどうかは、実際に使ってみないと判らない。

ですので、あなたは何としても「良さそう」とお客様が想像する状態にまで持って行かなければ、売れないわけです。


「いいモノは、その良さがいつか必ず伝わる」という感覚や信念めいたものが、売り手買い手を問わず、世間ではまるで正論かのように広まっています。

しかし、私に言わせればそれは「ただの幻想」です。

都市伝説と言っても言い過ぎにはならないと思っています。

いわゆる「良い商品」を売っていながら潰れていったお店や会社を、私はいくつも知っています。

「あの店、美味しかったのになぁ」「ここのスーパーの野菜、新鮮やったのに」かつて存在したお店を懐かしむこんな会話、誰の周りでも交わされているでしょう。


手にとって、使って、食べて、そこで初めてお客様は「いいモノ」と認識します。

認識します、というか、それ以外に実感する方法が無いんです。


「いいモノは、その良さがいつか必ず伝わる」の「いつか」が100年スパンで考えられているのなら、言ってる事は正しいでしょう。

何かの間違いでたまたまお客様になった人にだけに売っていても、いつかは伝わるでしょう。

しかし、それを実現する為にはあなたの寿命があと100年と、黒字になるまで85年分の持ち出せる蓄えが必要です(笑)

あなたは、商品の「良さ」を早急に適切に伝える必要があるんです。


売れるのは「良いモノ」ではなく、「良さそうなモノ」です。

「良さそう」な商品が、まず「売れ」、「良い」と気付かれた商品が「売れ続ける」

ただそれだけの事です。


商品本来の良さ、スペックを伝える。

単純にそのスペックを必要としている人、あなたの商品にニーズを感じる人はそれを見て購入します。これは多くの方が行っている本来の売り方。

掃除はしたいけど洗剤で手が荒れるのが困ると感じている人が、「激落ちくん」の存在を知ったら飛びつく事でしょう(笑)

目の前の「困った」を解決してくれるんですから、そりゃありがたい商品です。


しかし、あなたの商品を必要だと感じていない人は、本当に必要無いんでしょうか。

ただ感じてないというだけ、自覚してないというだけで、本当は既に必要なのかもしれませんよ。

生まれた時から床に無数のモノが転がっている、雑然とした家で育った人には収納BOXの必要性は感じられないでしょう。

鉄筋のマンションで生まれ育った人には、木造建築の家に住む必要性は感じられないでしょう。

年中ジーンズとTシャツで過ごす人に、スーツの必要性は感じられないでしょう。


ただ単に商品のスペックを伝えてるだけでは、今の時点でニーズを自覚している人にしか届かない。

必要だ、自分にとって大事だという事を、売り手が掘り起こし気付かせる事で生まれる需要が他にもたくさん存在するという事です。

それには、商品説明の切り口を変えてみたり、お客様の問題に気付かせてあげたり、その商品で得られる全く新しい快適な状態をイメージさせたりする必要があります。



ニーズ売りには限界があります、しかし、ニーズはあなたの力で新しく作る事も出来ます。

あなたの商品の必要性を自覚していない人に伝わるのは、実感を得られない「良い」ではなく、イメージを喚起された「良さそう」だという事を意識して、伝え方を考えてみましょう。

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