2013年8月27日火曜日

誰かに言ってもらおう

どもっ!インパクトマーケッターの福谷です。


「オレ、めっちゃ優しいヤツなんすよ」


初対面の人からこんな自己申告を受けたからといって、ハイそうですかとはなりませんよね(笑)

ところが別の人から「アイツ、ああ見えて結構優しいトコあるんやで」って聞かされると「へぇ~、そうなんや」と、素直に耳を貸して印象がプラスになったりします。

自己申告より第三者の意見の方がずっと信憑性が高いと感じます。


話術など小手先のテクニックではなく、この人が言うから面白い、この立場の人が言うから説得力がある、という状況があります。

同じ情報でも、どういう「立ち位置」にいる人が発したものかという相対的な状況で、その情報に対する価値が変わってくるわけです。


あなたが、自分の商品がいかに素晴らしいかをいくら声高に演説しても、あなたが望む程の説得力を生まない、伝わらない原因のひとつは「あなたはその商品を売ろうとしている立場の人だから」というお客様の認識によるものです。

完全に商品サイドの人間、その商品の味方をしている人。

売ってるんだから味方なのは当たり前の事なんですが(笑)それはお客様にとっても理屈は同じ事で、「そりゃ悪くは言わんやろ、売ってるんやから」という目で見られる立場に、あなたは居るわけです。

「クソまずいケーキですが、買って下さい」

誰もこんな売り方しないし、したらしたで売れませんよね(笑)

「美味しいケーキです、いかがですか」って、みんな言いますもん。


ところが同じ事を近所のおばちゃんや、いろんなケーキを食べ歩いているスイーツマニアが言うと、途端に説得力を増したりします。

利害関係の無い、客観的に比較した事がある人の視点、となるからです。

売り手以外の視点、広い視野でものを見ているという立ち位置、これが相手に伝わると同じ内容でも説得力が段違いに増します。


いい買い物をしたいと思う消費者は、売り手が発信している宣伝をはじめ様々なルートから情報を入手します。

手に入る情報の中で、一位二位を争う信憑性の高さを誇るルート、それが「お客様の声」であり「口コミ」です。


あなたの商品に、お客様の声に代表される第三者のコメントを用意出来ないか考えてみましょう。

あなたが声を枯らせて自分の商品を宣伝するよりも、第三者の囁きの方が数段高い影響力を持っています。


モンドセレクションのように「金賞ってお金で買えるんでしょ!?」って話が広まってしまうと価値も下がりますが(笑)商売人にとっての「お客様の声」は、お金を払ってでも手に入る価値がある。それくらい破壊力はあるという事です。

2013年8月25日日曜日

「広さ」では無く「狭さ」

「インターネットにお店を持つって事はねェ、世界中の人間をお客様に出来るって事なンすよォ!」

多分このフレーズが20世紀最後に広げられた「大風呂敷」です(笑)


どもっ!インパクトマーケッターの福谷です。


間口が広がると可能性が高まる、と期待に胸を膨らませる気持ちはわかります。

老人から子供まで、男女兼用、フリーサイズ、鍋はじめました、新商品販売します、何でも売ってます、誰にでも似合います、いろんな広げ方がありますよね。

間口を広げるというのは、理屈の上では「お客様になり得る対象が増える」という事になりますが、実際にはそれ程単純な話でもありません。


「日本人の主食はお米やから、米屋をすれば一億三千万人がお客様の候補になるやんなぁ」

だからなりませんって(笑)


間口を広げ、分母を増やす表現に走ると、その代償として、ターゲットへのピントはどんどんボケていきます。

これは消費者から見ると、どんどん「自分の事だ!」と感じ難い表現になっていくという事でもあります。


モノは世の中に溢れています。

サービスも同じくらい溢れています、何なら漏れ出ているくらいです。

ちょっと大きなくくりで見れば、オンリー・ワン商品もオンリー・ユー・サービスも存在しない、競合商品や類似サービスで地球はパッツンパツンに膨れ上がっています。


モノ余りと言われる今の環境に置かれたお客様には、「モノそのもの」を選ぶ前の段階、「モノを選ぶ基準」を提示してあげる事が必要です。

私が求めていたモノかも、と気付く事で売れ出す時代になっています。


「そうそう、俺が欲しかったんは正にこういうヤツなんよ!」

「これって今の私にピッタリやんか」

お客様にこう感じさせたモノが、選ばれ売れていくんです。




間口の「広さ」を提示する事で得られる商品価値はどんどん尻すぼみになっています、モノに溢れ個人化が進んだ今のお客様が反応するのは「狭さ」や「深さ」なんです。

街中で見かけた知人を振り向かせる時は相手の名前を呼びますよね、「お~い、人間」とは言わないはずです(笑)

競合商品が存在するのは当たり前、その中から「私の為の商品」だと感じてもらう為には、誰に向けて何をどう語り掛ければいいのかを考えてみましょう。



で、今日のリンク先のマウスは売れるのかというと…


少なくとも私の妻は買わないと思います(笑)



思いっきりターゲットを主婦に絞り込んだマウスのコンセプトデザインdailynewsagency.com



2013年8月23日金曜日

目立つ、という事 その2

どもっ!インパクトマーケッターの福谷です。


前回に引き続き、「目立つ」という事についてお話しています。


集客のメカニズムを維持したまま目立つ、とはどういう事なのでしょうか。

数ある競合他社の宣伝から一歩抜き出てあなたの宣伝がお客様の目にとまる、要するに「目立つ」必要がある、という事はご理解頂けたかと思いますが、大事なのはあなたの宣伝を目にする時のお客様の状況を考えるというです。

1、お客様は暇ではない

2、お客様は特徴のあるものしか覚えていない

まずこの2つは意識して頂きたいと思います。


1、お客様は暇ではない

あなたの宣伝媒体がチラシなのか看板なのかメルマガなのか、それは私には判りませんが、お客様は何かの合間にあなたの宣伝を目にする事がほとんどです。

仕事の合間、家事の合間、運転の合間、ネットサーフィンの合間、日常の作業の合間や、へたしたらその作業中にあなたの宣伝を目にするわけです。

最初から「よし、今日はこの製品の情報を集めるぞ」と意気込んで、積極的に宣伝を目にするケースは、私達が考えているより少ないというのが現実です。

ただし、お客様は日常の合間を縫って宣伝情報をザーっと読み流して行きますが、ただ口を半開きにして眺めているわけではありません。

「自分に必要な情報が無いか」というセンサーを、ずっとオンにしたままその作業を行っています。

溢れる情報の全てに均等な時間をかけてじっくりと精読する余裕はありませんので、宣伝物の「傾向」を瞬時に判断し、無意識に分類していきます。

よく目にする内容のモノに対しては、既に知っている内容と判断して短時間でスルーしようとするわけです。

家を買う予定が全く無い人は、不動産屋のチラシを長時間眺めたりはしませんよね。


このような環境下で、あなたの宣伝がお客様の目に留まる、気になる情報だと頭の中にプールされる為には、ファーストインプレッションで何かをお客様に訴える事、心に引っ掛かる何かを残す事が必要になります。

チラシやサイトをめくるお客様の手を止めさせる「しかけ」、ストッパーとなる「つかみ」が必要だという事です。


2、お客様は特徴のあるものしか覚えていない

前述のように、お客様は効率よく情報を収集しようとしますから、宣伝の第一印象が月並みだと心に残りません。

記憶されない、といった方がいいかもしれません。

お客様は心に引っ掛かったいくつかの候補を吟味し、その中から購入する商品を決定しますから、あなたがどんなに商品の良さにに自信を持っていたとしても、お客様の心に引っ掛かりを残せないと購入には至りません。

一度でも購入されないと商品の良さは実感されないわけですから、当然リピーター化もしません。

商品内容の良し悪しを問わず、まずはお客様の心の中に「あなたの爪跡」を残さなければならないのです。



「ほな大枚はたいてド派手に行きまひょか!?」


大枚はたけりゃ誰も苦労しないわけで(笑)予算に限りがある私達中小規模の商売人は、現状の予算で、現在使っている販促メディアでの反応を引き上げる事が必要です。

お客様があなたの宣伝に興味を抱いてから購入に至るまでのステップは、業種によって様々ですし、その方法は従来通りでかまいません。

従来の販売方法を、より多くのお客様の心に訴えかけるモノにチューンアップする事が、あなたにとって一番効率よく集客出来ているという状況のはずです。

・キャッチコピー
・文字
・色
・大きさ
・厚さ
・素材

これらの要素それぞれを、競合他社の宣伝の傾向や、業界での常識や通説とされるマーケティング方法を知った上で、その内容を「少しだけ」違うものに出来ないかを考えます。

そう、キャッチコピーに制限はありませんが、以外のそれぞれの要素は「少しだけ」でいいんです、葬儀屋さんのチラシがビビッドカラーだと、いろいろと怖いです(笑)

こういう業種の宣伝は当然こう有るべき物、普通はこうだろうという先入観が、お客様の頭の中にはあります。

それは今まで社会生活を送ってきた経験の蓄積で出来上がる感覚で、その感覚があるから目の前の情報を瞬時に判別し、スルーする事が出来るわけです。

お客様が過去、数多くの宣伝物から無意識に分析した「傾向」のデータ、そのデータにマッチしないものこそがお客様の心に、感覚にヒットするんです。


心理的なギャップをお客様に与える事によって高い広告反応は成立します。

ギャップが大きければ大きい程、受ける衝撃度(ショック)も高くなります。


日常生活の中で起こる出来事でも、ショッキングなモノは忘れられないですよね。

楽しい事、意外な事、悲しい事、全てその対象となるはずです。

お客様が捉えている広告の「日常」の感覚を崩す事が、お客様の心に侵入する最も確実で簡単な方法なんです。


『あなたが発信する販促物が、最初にお客様の目に触れた時に何らかの印象を残せないと、その先にどんなメリットがお客様にあったとしても、それを伝える事はできない』

この事実は100年経っても変わりません。

あなたが来店されたお客様に充分なサービスを行い、リピーターに育てる「商売の仕組み」を構築する事、これはもちろん最重要課題ですし、商売の王道・本質でもあります。

しかし、その「仕組み」に対して喜んでお金を払ってくれる人をお客様として連れて来ないと、あなたが磨いて用意した「仕組み」は宝の持ち腐れになります。




繰り返して言いますが、目立てば何してもいいという事ではありません。

・宣伝を見たお客様を、商品を購入する場所に立ち会うあなたに送り届ける。

・商品を購入するお客様を、二回目の購入する場所に立ち会うあなたに送り届ける。

未来の自分に、お客様を送り届け続ける事が出来るかどうかを判断基準にすれば、一時的に目を引くだけの「ワル目立ち」じゃダメだという事は理解できると思います。

未来の自分に送り届けたお客様は、その都度そこで満足感を得ているから次のあなたに会いに来てくれる、という事を忘れないようにしたいものです。


2013年8月20日火曜日

自称「ディティールにこだわる」

「オマィガァータンルォンクアッ」


私が大好きな映画「ドラゴンへの道」で、ブルース・リー扮するタンロンと対面した敵の日本人空手家役の俳優が最初に言う台詞「お前がタンロンか」が、日本人の私にはこう聞こえます(笑)


どもっ!インパクトマーケッターの福谷です。


ディティールにこだわる


全くこだわる必要が無い部分、こだわり抜いてそこを評価してもらう部分、商品を発掘・開発する所からお客様にリピートして頂くまでに、私達商売人はいろんな「設計図」を頭にめぐらせます。

「ここはガッツリ作り込んだ方が喜ばれるんちゃう?」

「ここの表現はこうした方が心に響くやろ!?」


演出として、時に徹底したディティールへのこだわりを見せる事は大事です。


が、しかし、そのこだわりは本当に「ターゲットになるお客様が満足する為のこだわり」になっているでしょうか。

担当者の勝手な、個人的な妄想によるこだわりになってはいませんか?

こだわりました、お客様の立場で考えました、当たり前のように言われる事ですし当たり前の事なのですが、本当にそのこだわりは、お客様にしっかり届いてしっかり評価されているのでしょうか?


人はどうしても自分が好きな事、興味のある事、造詣の深い事へのこだわりを表現しようとしてしまいがちです。

それは時に、お客様という主役不在の、ただ自分がこだわる事が気持ちいいだけというマスターベーションに陥る危険を意味します。

何物にも貢献しないこだわりは、ただの自己満足、自己マンです。

どこまでやればどういう人がどういう満足を得られるか、具体的に想定もせずに「こだわりって大事なんだよねぇ」とか言う事自体がナンセンス、何より時間とお金が勿体無いです。


「オレ、こういうトコこだわっちゃうタイプなんスよねぇ」

知らんがな(笑)


お客様に影響を及ぼすこだわりなのか、作り手が気持ちいいだけなのか、自分自身に問い掛けるのはもちろん、従業員や関連業者の仕事ぶりにも注意してみましょう。

よくよく見ていると、信じられないような無駄なこだわりに時間を浪費している人、意外といるもんです。

主役はお客様、お客様に影響を与えないこだわりは、趣味として家の中でやればいい。

誰の為のこだわりか、どこまでやればそれが効果として表れるのか、それが明確じゃないのなら、多分それはこだわる必要のない箇所です。

今この瞬間にしなきゃならない作業なのか、一度立ち止まって考えてからでも遅くはありません。



「お前がタンロンか」

日本人が観て、ちゃんと喋れてへんのやったらそこは別に広東語でもよかったんとちゃうんかい!?(笑)

2013年8月16日金曜日

目立つ、という事 その1

どもっ!インパクトマーケッターの福谷です。


「要は、目立つ為に変わった事をする、奇をてらうという事なんですか?」


同業他社との違いをお客様に伝える、いつもこういう話をしていますので、時々このような質問を受ける事があります。

確かに「ウケる」という状態を私は極めて肯定的に捉えていますので(笑)具体例だけを見ているとそういう疑問が湧いてくるのかもしれません。

また、「ウケを狙う」「奇をてらう」ように見えるアクションは、悪い言い方をすれば、「イロモノになる」という誤解や不安を招いているのかもしれません。


そこで今回は基本に立ち返って、「目立つ」という事についてお話ししたいと思います。


私が発行しているメルマガの冒頭部分には、

【インパクトマーケティングとは、既存の販売戦略を、常にお客様が最も喰い付く状態にチューンアップし続け、顧客反応を最大に保つ方法】だと定義しています。

この原則に則って私は、既存の販促ツールの使い方や、リピーターにつながるアクションを見直し、その効果を最大に発揮する事で、限りあるコストを1円も無駄にする事なくお客様の心を掴もうと訴えてきました。


既存の販売戦略をわざわざチューンアップしなくてはならない理由は、

「売り手は充分お客様の目に留まる宣伝をしているつもりなのに、買い手から見える実際は、競合他社の宣伝との違いが伝わっていない事が多く、結果的に目立たず埋もれてしまっている」

からです。


何故埋もれているのかというと、

世間で言われる「良い販促方法」「正しい集客方法」「マニュアル通りの接客方法」は全て、同業他社にとっても「良い」し、「正しい」し、「マニュアル通り」だから。

みんな、あなたと同じ認識と価値観の上でアクションしているからです。

要するに、あなたが業界内のセオリーに則った「正しい」販促を意識すればするほど、「ライバルのやり方と同じ」になってしまうわけです。


この状況から抜け出し、本来の販促効果・顧客反応を得る為には、

お客様があなたの宣伝を目にした時に、「同業他社に埋もれない見え方」をしている必要があります。

まずは、買い手があなたの存在に気付いてくれなければ、商売は始まらないという事です。



ではここで、最初の質問に戻ります。

「目立てばいいの?」


誤解を恐れずに、あえて言えば「そう、宣伝なんだから目立てばいいの」という事になるでしょう。

ただ、もう一言添えるとしたら、「ただし、本来の集客の目的やメカニズムを維持したままで」という事になります。

何でもいいからとりあえず目立て!…というのは大きな間違いなんです。



そりゃ目立たず埋もれてしまうよりはいいかも知れません。

しかし、ただ人目を引くだけの「イロモノ的販促」は絶対に長続きしません。


私達商売人が目指すのは、「売る」のではなく「売り続ける」という事です。

あなたの宣伝を見たお客様、購入したお客様、満足してリピーターになるお客様、「売り続ける」には、お客様が次のステップに進む事を前提に考えなければなりません。

未来のあなたにお客様を送り届ける事が目的なんです。


後先考えずギャーギャーうるさい、ただ目立っているだけの人を世間では「イロモノ」「キワモノ」と呼びます。

誰の周りにも一人や二人はいますよね、そういうテイストの人が(笑)

ネタ出し系のお笑い番組などで、「この芸人さんに二発目は無いな」と断言できるテンション高いだけの人、いますよね。

確かに初見では目を引きますが、それでは商売は続きません。

「イロモノ」「キワモノ」が、お客様に安心感や満足感を与え「続ける」事は不可能だからです。



集客というのは、あなたが人前に姿を現し、その中からあなたが提供する商品やサービスを必要とし、喜んで買い続けてくれる人を見つける作業です。

その為に「目立つ」、言い換えると「お客様に同業他社との違いを適切に伝える」、にはどうしたらいいのでしょう。



続きは次回で。

2013年8月13日火曜日

「普通」を忌み嫌おう

「なあなぁ、俺の事好き?」「普通。」


もし興味のある異性にこう答えられたら、いっそSMの一環であってくれと願わんばかりの辱めを受けているんだと自覚してください(笑)


どもっ!インパクトマーケッターの福谷です。


「普通」イコール「ちゃんとしてる」という間違った図式が世間にはあります。

そもそも「普通」って何やねん!?というメンド臭いツッコミは無視するとして(笑)「普通以下」が「普通」を目指す、これは良しとしましょう。

短所が改善されるのであれば、それは少なくとも悪い事ではありません。


しかし、「普通」になるのが「ゴール」になってしまう事、そもそも「普通」が「人並み・同業他社並みで恥かしくない事、はみ出てないんで安心」という感覚は、こと商売に持ち込むと致命的な痛手になります。

宣伝においての「普通」は「宣伝して無いのと一緒」、商品においての「普通」は「どこの商品でも一緒」という事。

ひどい言い方をすれば「この世に存在しないのと一緒」という事です。


心に引っ掛かりも刺さりもしない、知恵も価値も見出せず、何もお客様に伝える事が出来ない商品や宣伝は、最終的に自分の値段を下げる事でしか自分を売る事が出来なくなります。

安く売る事で相対的に価値を感じさせるしか、存在を知らしめる方法が無いわけです。


下に貼ったリンクは、日本ではあまり見かけない、ちょっと変わった名刺。

こんな変わった名刺を使ったからといって、それを理由に売上が上がるなんて事はありません。

しかしそれでも、誰でも持ってるような「普通」の名刺を使うよりもずっとマシです。


「普通」よりも「普通じゃない」事の中の方が、おもしろいと思えるモノは多い。

誰だってそう感じます。

誰だって感じるという事は、あなたのお客様だってそう感じているんです。



「普通」でいようとする事は恥ずかしい、例えるなら全裸にロンドンブーツくらい恥かしい事なのです。

リアルな「全裸にロンドンブーツ」は普通じゃありませんが(笑)



思わずコレクションしたくなる奇抜で印象的な名刺のデザイン53枚-dailynewsagency.com





2013年8月11日日曜日

ニーズの限界 その3

どもっ!インパクトマーケッターの福谷です。


「シズル感的販売方法」について、今回が最終回です。


「おいしい」と実際には実感できない状況で食品を宣伝する際に、「おいしそう」と感じさせ、イメージを増幅させて購買に結びつける事が、食品商材の宣伝にシズル感を演出する目的です。


あなたが扱う商品は、おそらくその品質に自信をお持ちの事だと思います。

「使えば良さが判る」というのは「使わないと良さが判らない」のと同じ意味ですので(笑)、あなたは何としても良さを伝えなくてはなりません。

テレビの中の食品が本当に「おいしい」のかどうかが判らないのと同様、あなたが扱う商品が本当に「良い」のかどうかは、実際に使ってみないと判らない。

ですので、あなたは何としても「良さそう」とお客様が想像する状態にまで持って行かなければ、売れないわけです。


「いいモノは、その良さがいつか必ず伝わる」という感覚や信念めいたものが、売り手買い手を問わず、世間ではまるで正論かのように広まっています。

しかし、私に言わせればそれは「ただの幻想」です。

都市伝説と言っても言い過ぎにはならないと思っています。

いわゆる「良い商品」を売っていながら潰れていったお店や会社を、私はいくつも知っています。

「あの店、美味しかったのになぁ」「ここのスーパーの野菜、新鮮やったのに」かつて存在したお店を懐かしむこんな会話、誰の周りでも交わされているでしょう。


手にとって、使って、食べて、そこで初めてお客様は「いいモノ」と認識します。

認識します、というか、それ以外に実感する方法が無いんです。


「いいモノは、その良さがいつか必ず伝わる」の「いつか」が100年スパンで考えられているのなら、言ってる事は正しいでしょう。

何かの間違いでたまたまお客様になった人にだけに売っていても、いつかは伝わるでしょう。

しかし、それを実現する為にはあなたの寿命があと100年と、黒字になるまで85年分の持ち出せる蓄えが必要です(笑)

あなたは、商品の「良さ」を早急に適切に伝える必要があるんです。


売れるのは「良いモノ」ではなく、「良さそうなモノ」です。

「良さそう」な商品が、まず「売れ」、「良い」と気付かれた商品が「売れ続ける」

ただそれだけの事です。


商品本来の良さ、スペックを伝える。

単純にそのスペックを必要としている人、あなたの商品にニーズを感じる人はそれを見て購入します。これは多くの方が行っている本来の売り方。

掃除はしたいけど洗剤で手が荒れるのが困ると感じている人が、「激落ちくん」の存在を知ったら飛びつく事でしょう(笑)

目の前の「困った」を解決してくれるんですから、そりゃありがたい商品です。


しかし、あなたの商品を必要だと感じていない人は、本当に必要無いんでしょうか。

ただ感じてないというだけ、自覚してないというだけで、本当は既に必要なのかもしれませんよ。

生まれた時から床に無数のモノが転がっている、雑然とした家で育った人には収納BOXの必要性は感じられないでしょう。

鉄筋のマンションで生まれ育った人には、木造建築の家に住む必要性は感じられないでしょう。

年中ジーンズとTシャツで過ごす人に、スーツの必要性は感じられないでしょう。


ただ単に商品のスペックを伝えてるだけでは、今の時点でニーズを自覚している人にしか届かない。

必要だ、自分にとって大事だという事を、売り手が掘り起こし気付かせる事で生まれる需要が他にもたくさん存在するという事です。

それには、商品説明の切り口を変えてみたり、お客様の問題に気付かせてあげたり、その商品で得られる全く新しい快適な状態をイメージさせたりする必要があります。



ニーズ売りには限界があります、しかし、ニーズはあなたの力で新しく作る事も出来ます。

あなたの商品の必要性を自覚していない人に伝わるのは、実感を得られない「良い」ではなく、イメージを喚起された「良さそう」だという事を意識して、伝え方を考えてみましょう。

2013年8月6日火曜日

予告がアツい

「福谷さぁ~ん、予告がアツいんすよ、予告がっ! 激アツっすよ!!」


仕事中、こちらが聞いてもないのにパチンコトークを延々語り続けてた、元同僚の口癖ナンバーワンがこれです(笑)


どもっ!インパクトマーケッターの福谷です。


何を売るかを決め、売る為の準備をし、お客様を集め、売る。

何を売るかを決定してから実際に販売を開始するまでの間、商品そのものの準備や売る場所、売り方や宣伝方法など様々な準備が必要になります。

しかし、お客様になり得る方々の「期待感を引き上げる為の宣伝」にまで手が及んでいる販売者は案外少ない、というのが正直な印象です。


販売開始日やオープン日が決まり、開店告知はもちろん誰でも行います。

ところが多くの場合、販売を早く始めたいが為に準備全体をタイトな日程で行い、お決まりの「今週末オープン」みたいな宣伝になってしまいがちです。


見込み客を掘り起こし期待感を高める為の宣伝は、売るという事さえ決まっていれば詳しい日程が決まらなくても出来る事です。

商圏という「畑」に、充分に鍬を入れて耕してから種を蒔くか、そのままの固い土に種を蒔くか。

一度蒔いてしまえば、その下の土はもう耕せないと考えれば、どちらがいいかは推して知るべしですよね。


認知度を上げ、期待感を上げる為に時間は必要です。

価格競争でしのぎを削る業界にいて、しかも商圏内に競合店が多くあり、オープン当日にエグい対抗策を採られるのでなければ、段階的な事前告知もきちんとプランに練りこみましょう。


予告がアツいんです、予告が(笑)



立ち止まって見たくなる!工事現場を彩るユニークな仮囲い【広告/アート】 - NAVER まとめ

2013年8月4日日曜日

ニーズの限界 その2

どもっ!インパクトマーケッターの福谷です。


前回から「シズル感」的販売方法を応用出来ないかという話をしてます、今日はその二回目。

前回に引き続きお茶漬け海苔のCMを例にしましょう、当時の記憶が全く無い若い方々には申し訳ありません(笑)想像しながら読んでください。


茶碗にご飯を盛って、お茶漬けの素をかけ、お茶をかけてハイ出来上がり。

タレントさんが一口食べて「ん~~~~っ!おいすぅいぃぃぃいっ!!」


まぁ、よく目にする調理食品のCMってこんな感じですよね、ちゃちゃっと作ってパクッと喰って美味いと言う、みたいな(笑)

この作り方でお茶漬け海苔のCMを作ると、どちらかというと数ある食品CMの中の「お茶漬け版」を目にしたという印象になります。

「お茶漬けのコマーシャルかぁ」って感じでしょうか。


しかし、タレントさんが汗を掻きながらズルズルハフハフと音を立ててお茶漬けを流し込む姿をテレビ画面に映すと、その音やビジュアルから、

「おいしそう!」

「あ~~、お茶漬け食べたい!」

という欲求が生まれます。

過去に自分がそうやって食べた記憶が蘇り、臨場感が湧いてきます。

過去においしくお茶漬けを食べた記憶があるので、この場合の「おいしそう」は只の想像ではなく、「おいしいよね、それ」「おいしかったなぁ、あれ」という思い出の共有です。

日常的にお茶漬けを食べる習慣が無い人も、このCMを見た瞬間に、おいしかった思い出を再現したくなります。

そう、ここで「見込み客」に変化するわけです。


わずか15秒のちょっとした「刺激」によって、いつもは理詰めでコストパフォーマンスを追及している人達の「天秤」が狂ってしまう。

普段は理性的な判断で買い物をしている人が、突然「感情」に流される。


では「心の天秤」は壊れてしまったんでしょうか。

実は「天秤」自体はどこもおかしくありません、天秤に載せる「分銅」がおかしくなるのです。

「品質」という分銅、品質を判断しようという感覚が一時的に狂ってしまうんです。

「おいしそう」「良さそう」などの「○○そう」の部分、これが品質判断を誤らせています。


消費者の心というのは、元々微妙に揺れ動いているものです。

それを自分で律し、予算の中での買い物に失敗しない為に、言い換えれば「少しでも良いもの、しかも出来れば安いもの」を購入する為に自分自身が心に作る価値基準、それが「コストパフォーマンスの追及」です。

基本的には値段と品質、その他に嗜好などの要因を加味した上で比較検討し、「買う」「買わない」の判断をします。


しかし、そこに事実ではない情報が入ります。

その情報とは、「おいしそう」「良さそう」などの「○○そう」です。


「おいしそう」というのは、「事実」ではありませんよね。

「良さそう」「楽しそう」なども、「事実」ではありません。

「おいしそうに見える」「良さそうに見える」と判断した事が事実なだけで、実際に「おいしい」のか、本当に「良い」のかはあくまで想像です。


想像というより、「思い込み」「錯覚」、もっと悪く言えば「妄想」に近いです。

その想像を、まるで正確な情報かのように錯覚して判断し、「品質」の分銅を重くさせるんです。


「欲望」が「必然」に変わる瞬間です。

ただのお茶漬け海苔が、自分の欲求を満たす為になくてはならない必需品に感じられてしまうわけです。

本来必要では無いモノなのに、錯覚してニーズを感じてしまうんです。


消費者としては日常生活で当たり前のように起こる現象ですが、モノを売る私達商売人にとって、これは凄い事です。

この「シズル感的錯覚」を、あなたが扱う商品で提示できれば、それはあなたにとって起爆剤になるかもしれません。

あなたが売っている商品に関して、お客様が「○○そう」と言うであろう言葉を考えてみましょう。

その言葉を突き止めれば、あなたのお客様に購入というスイッチを入れるきっかけを作る演出が可能になります。

○○の部分を強く感じさせる演出を施した広告活動を考える事ができれば、意外な新規客を見込めるようになるかも知れません。


たとえば、エステなどの広告は、主に「綺麗になりたい」という願いを持つ女性を対象に広告をします。

あなたがいかに美しくなれるかをアピールするモノばかりです。

しかし、例えばメニュー中の一つである痩身マッサージにフォーカスし、痩身効果だけでなく「施術そのものが身体がほぐれて気持ち良い行為」である事を伝えると、本来エステ自体には何の興味も無かった、ただのマッサージ好きが「気持ち良さそう」と感じて来店して下さるかも知れません。

この瞬間、「マッサージして貰えて、その上痩せるのなら」って考えたお客様の分銅は狂ってしまったわけです(笑)


極めて品の無い例えで恐縮ですが、性産業の商品などはほとんどがそうです。

例えばAV、思春期真っ只中の青少年の為だけに販売されているわけではありませんよね(笑)

購入したりレンタルしたりダウンロードしている主力の客層は成人ですし、その中には彼氏彼女などパートナーがいる男女も数多く含まれています。

大人の世界を覗き見したい成長期の少年でもない、成人した後の男女がなぜAVを観るのかを端的にザックリ言うと、その中で行われている事が気持ちいいという事を経験的に知っているからです。

パッケージの説明や画像を見て「気持ち良さそう」だと心や身体が反応するからお金を払うわけです。

もし年端もいかない子供が何かの間違いでその映像を目にしてしまったら、多くの子はそれを「気持ち悪い」と感じるでしょう。

この違いが生まれる理由の多くは、動物としての本能や成長以外の部分で言えば、映像を観て呼び覚ませる経験の有無が関係しているという事です。



「シズル感」で表現するのは、「事実」や「スペック」ではありません。

焼肉の「タレ」の宣伝では、焼いた肉をタレに付けて食べるシーンよりも肉そのものをジュージュー焼いているシーンに反応します。

キンキンに冷えたビールでゴクゴク喉を鳴らせているのは、あなたではなくタレントさんです。

しかし、それを観たら焼肉をタレに浸して食べたくなりますし、ビールで「プハァ~」と言いたくなります。

お客様があなたの商品に対して、過去の経験をベースにしたポジティブな想像を膨らませる事で、「欲しくてしょうがない」という衝動を突き動かす事が出来るかもしれません。

それはスーパーマンの映画を観て「空を飛んでみたいなぁ」という、ただのあこがれよりもずっと強力な動機になるでしょう。




ニーズやスペックだけではない、シズル感を始めとする「イメージ暴走戦略」(笑)を積極的に取り入れる事が出来ないかを考えてみましょう。



この続きは次の号で。