2013年9月23日月曜日

求人で「質」も「量」も確保する方法 その3

どもっ!インパクトマーケッターの福谷です。


前回から効果的なアルバイトの求人方法について話し続けていますが(笑)この話は今回で終わります。


さて、求人チラシを何週か続けて見ていると判るのですが、毎週のように募集をしている会社が結構ありますよね。

人材派遣会社などは「人がいてナンボ」ですから、常に求人しているのもうなずけるとして、そうではない業種。


あなた自身が学生時代にアルバイトを探した経験があれば実感できると思いますが、毎週のように求人広告を出している職場って

「人が定着しない、キツイ仕事なんだな」

と思われています。


本当に仕事がキツくて人が残らないのか、元々広告反応が悪く面接に来る人が少ない為、求人を続けざるを得ないのか、その真相は判りませんが、どっちにしろ求人広告を出し続けると、どんどん反応が悪くなってきます。

勝手に労働環境が悪いと判断され、敬遠され出します。

その上「いつでも求人してるし、どうしても他で採用されなかったら考えてみるか」と、面接優先順位の低い「滑り止め」として認知され、最後は「人が足りないみたいだから俺でも採用されるやろ」と考える人間が面接に来るようになります。

求人広告を見る人は、ある一定の期間ずっと広告を追い続けていますので、このような印象を与えてしまったら最後です。


求人広告は「ドカン!と打ってサッと引く」のが理想です。

「電話したら、もう締め切りましたって言われた」くらいがちょうどいい。


求人がすぐ埋まるという印象を与えると、不思議な事に次回の求人では前回より反応がよくなります。

前回求人した時期の求職者がまだ求職中というわけではないのに、どういうわけか少しずつ求人が楽になってくるんです。



さてこのように、求人広告は出し方一つで様々な憶測を呼ぶモノですが、大人数の求人表記をする時も同様の「勘ぐり」が起こります。

こんなに多くの人間を募集するのにはきっと何か「ウラ」がある、という勘ぐりです。

「ウラ」というのはすなわち、人が定着しない労働環境や人間関係という事です。


この「勘ぐり」を回避するフレーズがあります。

それは「新規募集」というニュアンスや意味合いの一言です。


「新規」という言葉は、求人においては全てをポジティブに捉えさせる魔法の言葉です。

「業務拡大につき」なども同様の効果を生みます。

これらの言葉を付け加えるだけで、大量募集や数週間にわたる募集で与えるネガティブな「勘ぐり」をある程度回避する事が出来ます。

要するに、大量に数週にわたって募集する「理由付け」ができるわけです。


しかも、「新規募集」にはもう一つのメリットがあります。

実は、この言葉を付けるだけで求人反応が上がるんです。


新しい職場で働く事への不安というモノは誰でも多かれ少なかれあるものですが、その不安の内訳は、仕事そのものへのモノと職場の環境へのモノに二分されます。

既に存在する職場(環境)に、自分一人が乗り込んでいくわけです。

馴染めるだろうか、変なしがらみは無いだろうか、気になるんです。

人間関係の問題で前の仕事を辞めたという人も珍しくありません、そういう人にとっては特に気になる材料なんです。


ところが「新規募集」「業務拡大につき」「グランドオープンにつき」という言葉には、既に出来上がった人間関係のしがらみを感じさせない、ちょっとした魔法がかかっています(笑)

「グランドオープン」がこの中では顕著ですが、新しい何かに最初から参加出来るワクワクや、自分と同期となる同じ立場の同僚が出来る事への期待感、古株の嫌な人間関係が無いまっさらな状態の所に入れるという安堵感など、極めてポジティブなイメージで受け取ってもらえます。

人間なんて勝手なモノで、しがらみに囚われるのは嫌なのに、自分がそのしがらみ自体になる事には抵抗がないんです(笑)


もちろん表記にウソはいけませんが(笑)こういったフレーズが使える状況での求人でしたら是非お試し下さい。



給与や待遇に関する表記も重要な判断基準です。


まず、反応が悪くなる最右翼は、金額を全く表示せず「委細面談の上」の一言で済ませている求人広告です。


…誰が面接受けたいと思いますん(笑)

こんな求人じゃ、よっぽど職種に魅力があるか、よっぽど職に困った人じゃなきゃ面接に来ませんよ。


お金の事って、大事な事だけど面接で正面きって聞きにくいじゃないですか。

不安を抱えたまま面接に来るなんて、出来れば避けたいですよね。

面接で初めて金額を聞かされて不満に感じても、文句、言いにくいでしょ。

「えっ!?たったそれだけですか?」とか、なかなか面接官の前では言えません(笑)


金額を表記したがらない事業者はそれが狙いなんでしょう。

賃金に低さには後ろめたさがあって書きたくない、だから面接まで引っ張ってそこで言えば、とりあえず金額が低くても断れないだろう、という。

もうねぇ、求人そのものに悪意を感じる(笑)

こんな求人方法で採用されても人は続かないし、続いたとしても不満を抱えたままイヤイヤ働いているだけですよ。帰属意識なんてあったもんじゃないです。

きちんと金額を表記した上で「委細面談」だと、求職者も面接で聞きやすいし、何より明朗です。

労働者との信頼関係を結ぶには、まず労働条件を明確に提示する事が絶対条件なんです。


ただ、金額はスタート時点での時給だけを表示する必要もありません。

採用された時点でのスタート時給を明示するのは必須ですが、最高いくらまで支払えるという金額も併せて記載した方が反応はいいです。

もちろんその上限金額が嘘っぱちでは話になりませんが、他のアルバイトが現在貰っている最高金額を「実績」として掲載したり、仕事をここまでやってくれるようになったらこれだけ払いますという金額を

『時給 850円~1450円(現評価制度実績)』

のような表記をすれば、求職者自身のやる気にも結びつきますし、面接でもアルバイトの評価システムについて話をしやすくなります。


待遇に関する事を積極的に開示しようという姿勢が事業者側に見えると、求職者は安心感を覚えます。

求職者は、やはり自分から給料の話はしにくい心理状態にありますので、あなたからお金の話を明確に説明して貰えるだけで不安が解消されるんです。




さてさて、三回にわたって延々と、大事な事から表記上の小手先テクニックまで(笑)書き連ねてきましたが、実はここからが一番伝えたかった話です。


従業員とお客様も、経営者にとってはどちらもあなたのビジネスを実現させる為のパートナーです。

事業者であるあなたにとっての従業員は、同志や身内であると同時に、あなたにとってのお客様でもあります。

求人採用で応募者をだまして採ろうという意図が見える事業所は、得てしてお客様もだまして獲ろうとする傾向がありますし、逆に事業主と従業員が良好な信頼関係を築いている所は、同じく良好な信頼関係をお客様とも築き易い環境にいると言えます。


ここに書いた求人方法を実践して効果を生むには、一度あなたの職場環境を整備しなければならないかもしれません。

給与体系を作り直さなくてはならないかもしれませんし、そうなると明確なトレーニング体系や基準を作らなくてはならないかもしれません。

それ以前に、あなたの会社で働く事のメリットを探し出すところから始めなくてはならないのかもしれません。


メンドクサイですよね。

メンドクサイし、うやむやで済ます事が出来なくなるところも沢山出てくるでしょう。

しかし、あなたが本当に欲しい優秀な人材が集まり、育ち、長く勤務する事であなたの仕事のビジョンが達成するのであれば、そこに投資するだけの価値があるとは思いませんか?


いつも人材不足で悩んでいる会社は、人を集める事がゴールだと勘違いしがちです。

なぜ人が離れていくのかという問題に向き合わず、一人でも多く面接室に引き込む事だけに策を練ろうとします。

しかし、問題はそこじゃありませんよね。


人が集まる、というのは、ゴールどころか「やっと立ったスタート地点」です。

あなたの本当の仕事は、その先にあります。

採用したパートナーと一緒にお客様が喜ぶ事を考え実践していく事が、あなたが人を採用する目的だったはずです。

だったら集客からリピーター育成までをひとつの流れで見るのと同様、従業員だって求人からあなたの片腕となるまでをひとつの流れとして捉え、そうなる為の環境を用意する必要があるんじゃないでしょうか。


誇大広告を出せばお客様は集まりますが、そのウソはやがてバレるので、集まったお客様がリピーターになる事はありません。

求人も同じです。

耳障りのいい言葉を並べれば面接希望者は集まりますが、やはりウソやひずみはバレるので、集まった新人さんが会社の事を想いながら働いてくれる事はありません。

入り口までを立派に見せて人を集めても、数週間から数ヶ月の時限爆弾をセットしたのと同じ、短いスパンで必ずツケはまわってくるわけです。


求人そのものと採用後の従業員が育つ為の環境作り、どちらが先かと言えば、間違いなく環境作りが先です。

穴だらけのバケツに水を入れ続ける事は無意味、これってお客様を集める事にも従業員を集める事にも共通して言える事。


バケツの穴を塞いで人が育つ環境が出来たら、そこで育った人に「なんでこの会社で働こうって思ったん?」「なんでこの会社で働き続けてるん?」って質問してみて下さい。

その時出た答えが、間違いなく次の求人での「ウリ文句」になります。

この求人広告で何人面接希望者が来たとか、机上で言葉やデータをこねくりまわすのではなく(笑)職場の先輩という「お客様の声」を元に求人が出来る環境を目指しましょう。

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