2014年4月8日火曜日

プロセスを評価する仕組みを持とう


どもっ!商売力養成コンサルタントの福谷です。


事業規模が大きくなるにつれ、長期的な視野に立った利益を求めていた当初の姿勢が、いつの間にか目先の売上を追い求めるようになる、という体質変化を起こす組織があります。

この「組織の動脈硬化」を引き起こす原因の中のひとつは、実力評価主義という名目で設定される社員に対する不完全な目標管理&評価制度だと私は思っています。


「半期ごとに社員とその上司が、それぞれのカテゴリで活動目標を数値で設定合意し、その目標を達成したかどうかを個人の評価とする」というヤツで、時代が終身雇用から実力主義へとシフトしていく過程で広まり、今では企業規模を問わず多くの会社で採用されている「仕組み」のうちのひとつです。

「客観的に数字が出て評価されるんやから、公平でエコひいきの無い制度やん。実力主義って素晴らしいでんな~」みたいな感じで(たぶん 笑)広まったのですが、私が問題だと考えている理由はそこではありません。


その目標の多くが「半年」という期限で設定されているという点です。

会社の決算や人事評価がボーナス査定に合わせて半期ごとだったりするのが理由のひとつですが、「人・物・金」の全てにおいての目標と評価を、すべて半年で区切って判断する事には「かなりの無理がある」と、私には思えてなりません。


ここでよく書く話ですが、私達商売人は「売り逃げるのではなく、売り続ける」為に商売をしなくてはなりません。

三年後、五年後、十年後をイメージしてお客様を増やしていく為のアクションを、日々の活動に落とし込んでいくからこそ商売は生涯の活動になるわけです。

これって個人商店だろうと企業だろうと関係ありませんよね、本来は。

長いお付き合いをして下さるお客様を増やそうって話なんですから当然です。


ところが今の評価制度では「ほなこれからの半年、あなたはどんな活動します?」という問いかけが起点となります。

三年後の利益、五年後の利益から行動を考える事をやめ、「半年間で数値化出来る」目標じゃないと、目標の候補にすら入れる事ができなくなるという現実があるわけです。


この評価制度が動き出すと、評価される対象の社員は全ての事を半年という短期でしか見なくなります。

もちろん評価する上司も、同様の価値観で評価します。

五年後の利益の為に、今期と来期はマイナスを覚悟する。という発想が出来なくなります。

長期的な視点に立った利益の追求を誰にも求められなくなり、キッカリ半年という短期スパンで、ウソでも数字が獲れる短絡的な営業活動に走らざるを得ない状況が生まれます。

店舗社員やアルバイト全員を巻き込んで、お客様をおもてなしする感覚や体質を二年かけて作り上げようという「結果が判断し難い、ぼんやりとした目標」は避けられるようになり、代わりにクーポン券を大量投入して目先の売上を出して見せる、という手法が採られだします。


いいんスよ別に、社員の評価が半年ごとでも(笑)

いいんですが、半年後が「ゴール、かつフィニッシュ」になる目標ばっかりなのはどうなんかなって思うわけです。

中期・長期のスパンで商売を見て、長い目で見た繁栄の為に必要な事を目標にして、それを遂行する中で半年後の状況を判断する事こそ、お店や会社が用意しなきゃならない「仕組み」なんですよね。


得てしてこういう目標は数値化が難しいですし、半年で効果が表れるとは限りません。一時的には売上や客数が下がる事だってあります。

だからこそ、多くの企業は管理しやすい目標設定に流れてしまいがちになります。

しかし、社員を数字で評価したいが為に、お客様との関係作りが犠牲になっているのだとしたら、それって本末転倒も甚だしいですよね。

中期・長期のスパンで目標の進捗を見て、「そのプロセスが正しく行われている事が確認出来るのなら、今期は数値に表れなくとも良し」という判断が出来るくらいの「長い目」って必要なんじゃないかと思います。


ってか、必要なんですってば!(笑)


「来年、結婚しよう!」ってニートの彼に言われて、一年かけて就職先を探してきたら、彼女はきっと嬉しいですよね。

採用通知をもらうまでの11ヶ月は無駄ですか?

そんな事ありませんよね。



社員の業績管理に数値目標を採用するのは構いませんが、やるのであれば「半年ゴールありき」では無く、その過程やプロセスも適切に数値化して評価する仕組みを用意しましょう。

半年後の業績が「登頂」ではなく「二合目」だっていいじゃないですか、地味な結果でも二年後の「登頂」につながる「二合目」だという事が確認できるように目標を設定すれば済むことです。

あなたの従業員が「長い目で見た職場の繁栄」を設計出来る環境を用意してあげないと、お客様を一人の人間として見る事も、生涯リピートして頂こうという意識も持てない「その場しのぎ野郎」に育ってしまいますよ。

何より怖いのは、彼らがそうなるように仕向け、育てたのは、会社が用意した「人を育てる仕組み」だという事なんです。




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