2014年1月24日金曜日

お客様アンケートの信憑性

どもっ!商売力養成コンサルタントの福谷です。


「よろしければお客様の声をお聞かせ下さい」


顧客満足だの何だのと広く言われるようになり、アンケート会社などに頼らない、独自のお客様アンケートをとるお店が増えました。

よく目にするところでは、ファミレスや居酒屋のテーブルにほったらかしてあるアレです(笑)


お客様のニーズを探る為のリサーチやアンケート、顧客満足度を数値化する為に行う顧客への聞き取り調査、こうして集められた意見は「お客様の声だから!」という大義名分を得て、その後の営業活動内容に対しての「根拠」となります。

売り手としては、お客様の声が集まったアンケート結果は大変貴重な情報ですし、そこに書かれた要望やネガティブポイントを改善する事で、売上や満足度を向上させる取り組みを行います。

ところが、情報の集め方を間違うと貴重な時間やコストを無駄にするばかりか、大切なお客様を減少させてしまう事態にもなりかねません。

今日はそのあたりの話をします。



まず、お客様からのご意見は大別するとふたつに分ける事ができます。。

お客様の「自発的な声」なのか、それとも誰かに「質問された内容に合わせて答えた声」なのか、という事です。


自発的な声、代表的なものは前回のブログで触れた、口コミで伝わる印象やお店への直接的なクレームです。

印象が良いにつけ悪いにつけ、あくまでもお客様自身の意志で、言いたい事を言いたい相手を選んで伝えようとします。


これは、紛れも無くそのお客様が「心の底から伝えたい」と願って、自発的に採ったアクションです、誰に指示されたわけでもありません。

「シェフに一言お礼を言いたいんですが」にしろ、「ふざけるな!」にしろ、黙っていられないような感動、心が大きく動かされ揺さぶられたからお客様はそうするわけです。

この美味しさを誰かに喋りたい、この怒りをぶつけたい、少なくともその時点でのお店への印象や評価はそれが全てです。


一方で他発的な声、これがアンケートやリサーチ、他人に印象を尋ねられた事に対しての返答です。

訊かれたから考えて褒める、訊かれたから思い出して小言や要望を言う、流れとしてはそういう事なんです。


「ええスーパーやで、店員さんも愛想良いし」と言ってる人が、本当に食材の多くをそのスーパーで購入しているのかはわかりませんし、「アカンよこの店、店員の愛想悪やん」と言ってる人が、じゃあ店にはもう来ないのかといえばそうでも無い(笑)

・お店のここは好き、そう答えはするけど、一番多く利用するのは別の店

・お店のここは何とかして欲しい、そう答えはするけど来週も来る


「いいよこの店」と言ってるお客様が別の店でガンガン「浮気」する理由は、品揃えがちょっと少なめだったり、生鮮食料品の鮮度に満足していないからかもしれません。

「ダメだよこの店」と言ってるお客様がそれでもお店から離れないのは、家から一番近いとか安いとか、別の理由で繋ぎ止めていられるからかもしれません。


何が言いたいのかというと(笑)そもそもアンケートはお客様の自発的なコメントじゃないんだから、ちゃんと売り手がナビゲートしないと望んだ答えは得られませんよ、という事なんです。


A4コピー用紙を4つに切ったような簡易的なアンケートでよく目にする、お店の印象やその理由だけを聞くようなものの場合、得られる情報が表面的過ぎて、間違った判断を下しかねない状況になる場合があります。


先ほどの例で言えば「いいよこの店」という意見が多かったところで、今後も「浮気」され続けるという状況は変わらないという事。

「ここはダメだよ」というアンケートの意見を改善すれば、確かに回答したお客様の満足度は上がるでしょうが、その方はそもそも家から近いという理由で来店し続けているのだから、そこは最優先で取り組むべき改善項目では無かったかもしれないという事です。


アンケートに協力して下さるお客様には、いろんなタイプの方がいらっしゃいます。

とりあえず褒めて下さるし悪口は言わないけど、それが本心でもない人。実はそんなに大きな不満を持ってるわけではないけれど、尋ねられたらついつい小言を言ってしまう人。


簡易的なお客様アンケートは、集まった意見を単純集計し、ランキング上位の意見を単純に「一番多い意見イコール最優先取り組み課題」としてしまいがちです。

ところが、単純に得票数でランク付けしてしまうと、浮かび上がった課題が既存客の満足度を上げる為に効果が出るのか、顧客流出を食い止める事に繋がるくらい重要なものなのかが判断しにくいんです。


お客様へのアンケートは、その設問の選択が非常に重要になります。

頂いたお客様の声を反映させると、お店のどの部分に変化が表れるのかを明確に想定した質問をしないと、わざわざアンケートなんてやる意味がありません。


例えばですが、質問がAからJまで10個あったとしたら、

「BとCとEがイエスの人は、うちの店を一番よく利用してくれてるはずなので、その方々が書くHとJの回答に対応する事でヘビーユーザーの満足度は上がると思われる。しかし、すぐに対応しなくても客数は減らないだろう」

「BとCがノーの人は、Dの理由でうちの店を使っているけど、その方々にとっての【一番店】はFの質問で出た競合店で、その理由はGだから、これを改善すれば来店頻度が上がるかもしれない」

という具合、想定して設問する事がとても重要なんです。



せっかくお客様の協力で得た貴重な情報です、その結果にお金と時間を費やしてもファンが増えないなんてもったいないです。

お客様の何を知ってそれをどう活かしたいのか、あなたが望む答えが得られるように設問はきちんと組み立ててからアンケートに臨みましょう。

ひとつの物語を考えるように、アンケートにもストーリーが必要という事なんですね。



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2 件のコメント:

  1. 福谷さん
    大変大変ご無沙汰しております。
    久しぶりに拝見したらなんとコンサルタントじゃあないですか~笑

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    1. 吉兼さん、お久し振りです。
      一層わかりやすい肩書きに変更しました(笑)

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