2014年1月26日日曜日

オープンした時から、つぶれる事が想像できるお店

どもっ!商売力養成コンサルタントの福谷です。


最近、私の家の近くに整体院がオープンしました。

前の借主だった不動産事務所が撤退し、空いた物件に入ったようなのですが、私は店の前を通る度にちょっとブルーな気持ちになります。


何故かというと、お店の外観を見る度に「これじゃお客さん入りたがらんやろなぁ」って思うからです。


写真を載せるとわかりやすいんですが、さすがにこの話の流れでそれをやると訴えられますので(笑)簡単にお店の雰囲気だけを説明します。


二階建てビルにある一階で20坪以上ある元事務所、正面はガラス張りで入り口以外はカーテンがかかっていますが店内の様子は丸見え。

中には奥が透けて見える中途半端な籐のパーテーション…とも言えないくらいの、小さな仕切りとも目隠しともとれるついたてがあり、その奥に施術ベッドらしきものがある。

インテリアほとんど無い上にレイアウト適当(笑)元事務所感がアリアリと残っていて、部屋は広いがモノが少な過ぎて閑散とした印象。「今日引っ越してきましたか?」または「明日どこか遠くへ行かれますか?」という感じ。

無駄に天井が高く、事務所時代の蛍光灯そのままなので光の色がやたら白い。

地上3メートルくらいの外壁にお店の看板、入り口付近にはガラスに貼った価格以外のPOP無し。

私は夕方しかそのお店の前を通りませんが、お客様の入店は今まで一度も見た事がなく、トドメはオーナーとおぼしきオッサンが入り口近くのソファーでいつも携帯いじってるという(笑)


重ねて言っておきますが、私は偏った時間帯にしかお店の前を通りませんし、他の時間帯にはお客様がいらっしゃるのかもしれません。

店内に足を踏み入れた事もありませんし、もちろん施術を受けたわけでもありませんので、そのオッサンの腕前も接客もわかりません。

めちゃめちゃゴッドハンドで(笑)人当たりが良くて、一度施術を受けたらリピート必至となるかもしれません。


けどね、

たとえ私が肩こりに悩まされていたとしても、通える範囲で他のお店を選ぶという選択肢がある限り、このお店を試してみようという気持ちになりません。

だって入るの怖いもの(笑)ウェルカム感、永遠のゼロですもん。

内装や看板だけでもツッコミどころ満載、上記の外観がお客様を遠ざけている理由を書き出すとキリが無いんで列挙しませんが、とりあえず施術してる光景が路面から丸見えってどうなん?って思います。

お客様が解体ショーのマグロと変わらん位置づけになってるというね(笑)

インディー・ジョーンズばりの勇気とチャレンジスピリットが無いと入れないお店って、いくら何でもお客様を選び過ぎやろ(笑)って思うわけです。


たぶんですが、このオーナーさん、施術スキルは低くないと思うんです。

腕に自信があるから店舗の見た目を気にしなくてもお客様は来ると思ってるか、開業予算が無い中でギリギリのオープンをしたのか、そもそもこの外観をおかしいと感じてないのかのどちらか、または全部だと思います。


腕がよければ、一度施術を受ければファンになり、リピーターになる可能性は高いですよね。

けど、この外観です(笑)まずトライアルでのお客様集めが難しい。

となると、リピーターが増えるペースって、ホント長期レンジで見なきゃならないわけです。

例えば二年くらいかけて生活できるレベルまでお客様が増えたとして、じゃあそれまでの赤字は自分で補い続けるだけの蓄えを、開業予算として最初からプールしてるのかって話です。

内外装を見た限り、勝手な想像ですがそれはナイ(笑)

じゃあどうなるのか。


お客様が増える前にゲームオーバー、撤退です。



実は、せっかく頑張って独立起業したのに、このような状況に陥る個人事業者さんはとても多いんです。

何故そうなるかと言うと、理由はふたつあります。

ひとつは「独立開業の為の準備のほとんどを技術習得に費やし、お客様を集めて増やす仕組み作り、要するに【商売スキルの習得】まで意識が及ばない」という事。

もうひとつは「開業する事をゴールに据えて準備してしまっている」という事が挙げられます。


誰かが「脱サラ」を決心したとしましょう。

のれん分けのように、サラリーマン時代の仕事がそのまま引き継げるケースは別ですが、多くの場合、サラリーマン時代に培った一部のスキルを特化させるか、全く畑違いの職種を選ぶ事で起業します。

例えば、趣味で蕎麦打ちを始めた部長さんが蕎麦屋になりたいと思ったり(笑)学生時代からオシャレなカフェめぐりが趣味だった人が、OLしながらお金を貯めて、いよいよカフェオーナーになると決めるような感じです。


元々別業種だった人が、蕎麦屋になりたい・カフェオーナーになりたいと考えた時に、その夢に近付く為に何をするか。


技術習得です。

「○○屋さん」の「○○」の部分、お蕎麦屋さんになりたい部長さんは、当然プロとして恥ずかしくない蕎麦が打てるように技術を磨きますし、カフェオーナーになりたいOLさんは、美味しいアールグレーの入れ方やパンプキンパイの作り方を勉強します。必要だったら資格も取るし学校にだって通います。

その業種の商品そのものです、そりゃ力も入れるでしょって話ですよね。


ところが、困った事に「ほとんどの力」をそこに注いでしまいます。

商品技術が高くなり過ぎるという意味ではありません。「このコーヒー美味し過ぎるやろマスター!!」って事じゃないんです(笑)

開業までに費やす限られた時間の中で、商品技術の取得に使う時間と意識の比率が高過ぎる、という事です。


カフェオーナーになってる自分を想像して、ワクワクしながら必要なスキルを学ぶ、技術習得を実感して、独立資金とにらめっこして開業時期を決め、その日を目指してオープンの準備を整える。

このようにザックリ書くと万全の準備が整っているように見えますが、お客様をどう扱うかという、商売で一番大事な部分に意識がほとんど及ばないまま開業を迎えてしまいます。


「カフェをオープンさせる」という「カフェオーナーになる日」をゴールに据えてしまい、二年後・三年後も「カフェオーナーであり続ける」というビジョンで準備が出来ないんです。

無事に開業日を迎えるという目標だけを見据えて、技術習得と開業に必要な手続きにその意識の全てを向け、開店してみたらお客様が集まらない、集まったお客様がリピートにつながらないという「現実」に直面する。

ユーキャンか何かで資格を取って、独立して失敗するのも同じパターンです。


技術習得や資格取得で、確かに「○○屋さん」にはなれますが、技術習得や資格取得のプロセスの中で「○○屋さん」に「なり続ける」為のスキルは教えてもらえません。

難しい資格を取っても食べていけないと言われる理由はそこです。


どんなにスキルが高くても、どんなに蕎麦や紅茶が美味しくても、それを披露するお客様を集めて次につなげる力をつけていないとお店は続ける事が出来ないんです。

出来たお店の前を通る人がどういう印象を持つか、どうすれば入店しようと考えるか、どういう宣伝をすればあなたの商品に喜んでお金を出してくれる人が集まるか、どういう接客サービスをすれば次も来てくれるか。

それを考えるスキルを持たずに商売を始めるのは、ハイリスク・ローリターンな博打をするのと変わらないという事。

潤沢な資金を用意した上で「いつの日か、味だけを武器に常連さんを増やす」という長期戦を覚悟した上でないと、やっちゃいけない事なんです。

けど、ほとんどの人はそんなに豊富な資金を用意してはいません。三年間は赤字でも我慢できるような優雅な商売は出来ないはずです。



これをお読みの、いつか自分で商売をと考えている方!


技術の取得と同時に「商売する力」をつけましょう。

あなたが提供する予定の商品を、どんな人が好むのかを理解しておきましょう。

あなたがどう行動すれば、その方々が振り向いてくれるのかを考えましょう。

入り口に花輪が飾られているオープン日ではなく、開店三周年あたりにどうなっていたいかを考えて、すべての準備をすすめましょう。

あなたが本当に望んでいる「○○屋さん」になるという事は、○○屋さんに「なり続ける」という事のはずです、そこだけは見誤らないでくださいね。






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