2014年2月7日金曜日

器用さは「ウリ」にはならない

どもっ!商売力養成コンサルタントの福谷です。


店や事業所の宣伝を考える際に、何を「ウリ」にするかという話になりますよね。

こういった話題になった時に必ず出る「間口は広くしておかないといけない」という見解と「一点に集中しなければいけない」という見解、この両極端な二つの意見はどちらが正しいのでしょうか。


「間口は広く」という意見、これは取り扱っている商品やサービスを、より多く提示して見込み客となる対象を一人でも多く作ろうという考え方。

一方の「一点に集中」という意見、これはいわゆる「ウリ」となる特定の商品を軸に販促を行うという考え方です。


あなたがもし今から弁護士事務所を立ち上げるとして、タウンページ広告に企業法務から離婚訴訟まで何でも扱う弁護士として宣伝するか、特許専門の弁護士として売り出すか、みたいな選択がこの時に求められるわけです。

あなたの商売をメディアに露出する際には「あなた自身の売り込み方」が問われるわけですから、極端に言えば上の2つのうちのどちらかの方法を採る事になります。


ではもう少し具体的に話を進めますので、今から私はパン屋を目指す妄想に入ります(笑)

たまたまホテルの朝食で食べたクロワッサンに感動した私は、よせばいいのに毎朝それを自分で焼いて食べたいと考えるようになり、研究を重ねる事一年、ついに満足出来るクロワッサンを焼く事が出来るようになりました。

家族や近所に配ると「こんな旨いの喰った事ない!」と大絶賛され、どうやって作ったのと質問されまくり、パン屋になれば成功すると勧められる始末です。

気を良くした私は、本気でパン屋になろうと考えましたが、よくよく考えるとクロワッサンしか焼いた事が無いと気付き、食パンやバケットなどスタンダードなパンの焼き方も一通り覚えました。

さてそんな私がパン屋をオープンする時、「間口を広く」と「一点集中」どちらの方法で店の宣伝を行うでしょう。


と、こうやって順序立ててストーリーを作ると、ほとんどの方は「一点集中」をお選びになると思います。


クロワッサン焼けるようになる、食パン焼けるようになる、バケット焼けるようになる。

「あ、このままやとシンプルなパンしか扱ってないように思われるかもしれへんから、これも追記しとかなアカンわ」

おかずパン焼けるようになる、菓子パン焼けるようになる、サンドイッチ作れるようになる・・・


こうして出来たお店、結局これって「新しいパン屋が出来た」ってだけの事ですよね(笑)

近所に新しいパン屋が出来た事に今更大きなインパクトは無いし、そこに私が本当に売りたいモノは全く見えません。

他のパン屋との違いは近所の人達に伝わらないし、絶賛されたクロワッサンの存在も伝わらない。

クロワッサンが別格に旨いんだから「クロワッサンのお店」「クロワッサン専門店」くらいの表現でもいいくらいです。

「クロワッサンのお店」と書いたからといって、食パン探してる人は近付きもしないかといえば決してそんな事は無いでしょうし、「クロワッサン専門店」という立ち位置やコピーに惹かれて店を訪れた人は、店内にクロワッサン以外のパンを見たら「ついで買い」もするでしょう。


このように、他人事の例題を時系列で見ると、ほとんどの人はちゃんと「一点集中」が効果的だと判断します。

ところが、いざ自分の商売に立ち返ってみると、見込み客を一人でも多く見つけたいという恐怖心からか「間口を広く」を選んでしまいがちです。


「これも扱ってるって書いとかんと、気付いて貰われへんのちゃうかな」

その恐怖心は理解できますが、そうやって事細かに取り扱い商品を羅列して守備範囲を広げて見せれば見せる程、あなたは「只の」パン屋さん、「只の」弁護士さんに見えてしまいます。

頑張って間口を広げて見せれば見せるほど、お客様から見たら同業他社との区別が付き難くなるという、最悪の立ち位置になる。

努力の結果、どんどんスキルを上げて隠れ方が上手くなっていく修行中の忍者、みたいな感じです(笑)


一点に集中すれば、先が針のように尖っていれば、小指で押すほどの小さな力で穴は開きます。

その後で穴は広げていけばいい。

最初から何でも出来ると謳うのは、体制が整った大資本の会社がやればいい方法です。

そうじゃない私達が、限られた資本の中から広告宣伝費を捻出して、よりによって「何でも出来る」と謳ってしまうのは、あなたと同業他社を比較する見込み客にとっては「大した事は出来ません」に聞こえ兼ねないわけです。

これって、見込み客には「あなたの存在意義も、あなたから何かを買う理由も、何も伝わらない」という状況なんです。



みなさんの名刺やホームページなど、販促ツールを見直してみましょう。

目立たせるべき「ウリ」が目立たず、本来なら「スペシャリスト」であるはずのあなたが「只の便利屋」みたいに見える業務内容になっていませんか?

あなたが扱う商品やサービスを必要としてる人は、同業他社ではなく「あなた」の前に現れるような伝え方になっているか、確認してみてくださいね。



重厚かつ流麗、昔の日本の新聞広告のタイポグラフィいろいろ dailynewsagency.com





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